# --- Kifu for Windows (Pro) V6.65.82 棋譜ファイル --- 対局ID:18440 記録ID:67c909ee73151ad0ff20af51 開始日時:2025/04/09 09:00 終了日時:2025/04/10 20:55 棋戦:第83期名人戦七番勝負第1局 戦型:角換わり腰掛け銀 持ち時間:9時間 秒読み:60秒 消費時間:134▲539△517 場所:東京都文京区「ホテル椿山荘東京」 備考:昼休前69手目39分\n2日目昼休前87手目42分・夕休前98手目20分\n封じ手時刻:18:30<83手目>\n 先手年齢:32 後手年齢:22 図:投了 リーグ成績:▲0勝0敗△0勝0敗 振り駒:2,0,藤 先手消費時間加算:0 後手消費時間加算:0 昼食休憩:12:00〜13:00 夕食休憩:17:00〜17:30 昼休前消費時間:69手39分 手合割:平手   先手:永瀬拓矢九段 後手:藤井聡太名人 先手省略名:永瀬 後手省略名:藤井聡 手数----指手---------消費時間-- *藤井聡太名人に永瀬拓矢九段が挑戦する第83期名人戦七番勝負が開幕する。 *対局は4月9日(水)から10日(木)にかけて、東京都文京区「ホテル椿山荘東京」で行われる。対局開始は9時、持ち時間は各9時間。1日目の封じ手は18時30分以降に行われる。昼食休憩は両日とも12時から13時。2日目のみ、17時から30分間の夕休憩が設けられる。第1局の先後は振り駒で決定する。 *立会人は島朗九段、毎日新聞副立会人は佐々木勇気八段、朝日新聞副立会人は近藤誠也八段。記録係は宮原暁月三段と福田晴紀三段(ともに中川大輔八段門下)が交代制で務める。現地大盤解説会は高見泰地七段、聞き手は矢内理絵子女流五段が担当する。 *対局1日目の朝を迎えた。対局室から望む雲錦池の水面には桜の花びらが浮かんでいる。 *8時42分、永瀬が先に対局室入り。着座後はメガネを外し、布で丁寧に拭いていた。 *挑戦者の入室から6分後、藤井も姿を見せた。盤前に座ってから一拍置き、一礼を交わして駒箱に手を伸ばした。 *8時53分、振り駒を担当したのは大和証券グループ本社・荻野明彦社長。記録係のトップバッターを務める福田三段から歩を5枚受け取ると、絹布の上で「シャカシャカシャカ」と小気味よい音を立ててから宙に放った。藤井の振り歩先で行われた結果、「歩」と「と金」が2枚ずつ出て振り直しに(1枚は横向きに立ったため無効)。改めての振り駒は「と金」が3枚。永瀬の先手番が決まった。 * *(棋譜・コメント入力=玉響) *[棋譜表示の*はコメント付きの指し手。#は局後の感想が追記された指し手] 1 2六歩(27) ( 0:00/00:00:00) *立会人の島九段が「定刻になりました。挑戦者、永瀬拓矢九段の先手番で始めてください。よろしくお願いいたします」と告げて、対局が開始された。 2 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00) *注目の2手目は、居飛車の王道を行く△8四歩。これで雁木の線は消えた。この手を見届けてから報道陣は退室。直近の対局(永瀬との第74期王将戦七番勝負第5局)では、棋士人生で初めて2手目△3四歩と指したことが話題を呼んだ。藤井が公式戦で後手番を持った局数は250を超えるが、それまで対戦相手のあらゆる初手に対して必ず△8四歩と突いていた。 3 2五歩(26) ( 0:00/00:00:00) *◆永瀬 拓矢(ながせ たくや)九段◆ *1992年9月5日生まれ、神奈川県横浜市出身。安恵照剛八段門下。2009年、四段。2020年、九段。棋士番号は276。 *タイトル戦登場は15回。獲得は叡王1期、王座4期の計5期。棋戦優勝は3回。 4 8五歩(84) ( 0:00/00:00:00) *◆藤井 聡太(ふじい そうた)名人(竜王・王位・王座・棋王・王将・棋聖)◆ *2002年7月19日生まれ、愛知県瀬戸市出身。杉本昌隆八段門下。2016年、四段。2021年、九段。棋士番号は307。 *タイトル戦登場は30回。獲得は竜王4期、名人2期、叡王3期、王位5期(永世王位)、王座2期、棋王3期、王将4期、棋聖5期(永世棋聖)の計28期。棋戦優勝は11回。 5 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00) *永瀬の今年度成績は2勝0敗(1.000)。 *昨年度成績は29勝18敗(0.617)。 *通算成績は531勝237敗(0.691)。 6 3二金(41) ( 0:00/00:00:00) *藤井は本局が今年度初対局。 *昨年度成績は40勝12敗(0.769)。 *通算成績は404勝83敗(0.830)。 7 7七角(88) ( 0:00/00:00:00) *代えて▲7八金なら相掛かり模様だった。飛車先を五段目まで伸ばしてから角道を開けるのは、後手の雁木を警戒した意味がある。例えば、3手目▲2五歩に代えて▲7六歩とすると、△8五歩▲7七角△3四歩▲6八銀に△7七角成ではなく、△4四歩▲2五歩△3三角と雁木を目指される変化があった。ただし、本譜は▲2五歩と形を決めたので、▲2五桂と跳ねる余地が消えている。どちらも一長一短といえる。 8 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00) *両者の対戦成績は藤井22勝、永瀬8勝(2千日手)。タイトル戦に限れば藤井の13勝3敗だ。藤井は先手番で8割8分を超える圧倒的な勝率を誇るが、上記の3敗は先手番で喫したもの。逆にいえば、永瀬は藤井とのタイトル戦で先手番の勝ち星がない。 *本カードのタイトル戦における星取りや戦型の詳細は、下記リンク先にある日本将棋連盟将棋コラムの展望記事を参照いただきたい。 * *【藤井聡太名人VS永瀬拓矢九段 第83期名人戦七番勝負展望】 *https://www.shogi.or.jp/column/2025/04/vs83.html 9 8八銀(79) ( 0:00/00:00:00) *名人戦・順位戦は毎日新聞社、朝日新聞社、日本将棋連盟が主催する棋戦。フリークラスを除いた棋士がA級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組の5クラスに分かれてリーグ戦を戦う。A級同率首位の棋士が複数出た場合は同率の棋士全員によるプレーオフとなる。名人とA級優勝者が、例年4月から7月にかけて七番勝負(2日制、持ち時間は各9時間)を行う。 10 7七角成(22) ( 0:00/00:00:00) *戦型は角換わりに。両者の対戦で最も割合が高い形になった。 11 同 銀(88) ( 0:00/00:00:00) *本局の観戦記は毎日新聞を加藤まどかさん、朝日新聞を後藤元気さんが担当する。 12 2二銀(31) ( 0:00/00:00:00) *現地大盤解説会の参加応募は、すでに締め切られている。ほかに開催されるのは東京・新橋(新橋西口SL広場)で、対局2日目の4月10日(木)の18時〜21時まで行われる。そちらの解説は鈴木大介九段、梶浦宏孝七段、聞き手は藤森奈津子女流四段が担当する。 * *【新橋商事株式会社:将棋解説会】 *http://www.faro.co.jp/business/event/250410_meijin.html 13 4八銀(39) ( 0:00/00:00:00) *本局は主催紙のYouTubeチャンネル、ABEMAで中継される。13時から現地で行われる大盤解説会の模様も、主催紙のYouTubeチャンネルで放映される予定。1日目の動画リンクは以下の通り。 * *【将棋・囲碁ch 毎日新聞】 *https://www.youtube.com/@shogiigo_mainichi * *【<第83期名人戦 第1局1日目>対局LIVE・AI評価値放送 藤井聡太名人vs永瀬拓矢九段(4月9日)】 *https://www.youtube.com/watch?v=WRmfany1R1Y * *【<第83期名人戦 第1局初日>大盤解説会LIVE(4月9日午後1時半〜)】 *https://www.youtube.com/watch?v=kvsAPDvSFWw * *【囲碁将棋TV -朝日新聞社-】 *https://www.youtube.com/@igoshogitv * *【<将棋名人戦中継】藤井聡太名人−永瀬拓矢九段 究極の対決、始まる【第83期将棋名人戦第1局1日目>】 *https://www.youtube.com/watch?v=mDsi5va0Zdk * *【<名人戦大盤解説会>藤井聡太名人−永瀬拓矢九段 高見泰地七段が封じ手まで徹底解説<第83期将棋名人戦第1局1日目>】 *https://www.youtube.com/watch?v=2_ghk4ottUU * *【ABEMA将棋チャンネル】 *https://abema.tv/timetable/channels/shogi * *【第83期 名人戦 七番勝負 第1局 1日目 藤井聡太名人 対 永瀬拓矢九段】 *https://abema.tv/channels/shogi/slots/AdtLWC7HiPQf1H * *解説者:及川拓馬七段、金井恒太六段 聞き手:竹部さゆり女流四段、野原未蘭女流二段 14 3三銀(22) ( 0:00/00:00:00) *対局場の「ホテル椿山荘東京」は、「明治の元勲」と称された山縣有朋が「つばきやま」を購入して庭園、邸宅を作ったことに始まる。もともと椿が自生する名所で、山縣有朋は「つばきやま」を音読みして「椿山荘(ちんざんそう)」と命名した。名人戦は、第66期(2008年)から当地で開幕することが恒例になっている(第78期のみ第4局)。 * *【ホテル椿山荘東京】 *https://hotel-chinzanso-tokyo.jp/ 15 4六歩(47) ( 0:00/00:00:00) *昨日の検分は16時30分頃から予定されていた。永瀬は早めの21分、藤井は27分に姿を見せて、少し早めに行われた。検分時の空調の設定は23度。関係者も大勢いたので少し暑く感じた。藤井は「23度でなく、21か22度で」と要望。調整する際は記録係が空調を操作する手はずになった。その後は対局日の朝に用意する飲み物の確認と調整を行い、検分は5分ほどで終了した。 * *【藤井聡太名人と永瀬拓矢九段が名人駒で検分 名人、さすがの室温調整依頼「23度でなく、21か22度で」【第83期将棋名人戦第1局=北野新太撮影|囲碁将棋TV -朝日新聞社-】 *https://www.youtube.com/watch?v=VuT5Twdj-W8 16 6二銀(71) ( 1:00/00:01:00) *本局の記録係を交代制で務める宮原暁月三段と福田晴紀三段は、ともに中川大輔八段門下。宮原三段にどちらが兄弟子か尋ねたところ「奨励会同期で、入門した日も同じなんです。年齢は福田さんが1つ上です」と返ってきた。記録は1時間30分ごとに交代するという。 17 7八金(69) ( 0:00/00:00:00) *毎日新聞デジタルと朝日新聞デジタルでは、本局の模様を随時詳報している。 * *【毎日新聞デジタル】 *https://mainichi.jp/shogi/ * *【朝日新聞デジタル】 *https://www.asahi.com/shougi/ 18 7四歩(73) ( 0:00/00:01:00) *対局前日は18時から前夜祭が開催された。両対局者は明日の対局に向けて、次のように抱負を述べた。 * *永瀬「椿山荘さまには何回か伺ったことがありまして、先輩棋士の結婚式や、名人戦の対局を勉強しに来たことがあります。第73期名人戦第1局では、羽生先生と行方先生の対局を一日、検討して、感想戦も対局室で拝見しました。対局室に入るのは2回目になりますが、今回は対局者なので重みが違うなと思っております。藤井名人とは3月までの王将戦七番勝負で教えていただいておりました。そちらでは2日制でしかできない経験をたくさんすることができました。今回、棋界最長の9時間という持ち時間で、初めて経験する持ち時間となりますが、1局でも多く指せればと思っております」 * *藤井「椿山荘に来て、いよいよ名人戦が開幕するんだな、と実感しています。永瀬九段とは1月から3月までの王将戦七番勝負でも対戦をしていまして、そちらでも本当に勉強になる経験ができたと感じています。今回の名人戦ではその経験を生かせるように、また、持ち時間が公式戦で最も長い9時間の対局になりますので、一手一手をより深く考えて、シリーズを通して面白い将棋を指していけるように全力を尽くしたいと思っています」 19 4七銀(48) ( 0:00/00:00:00) *前夜祭のトークショーは、島朗九段、佐々木勇気八段、近藤誠也八段、高見泰地七段が出演。進行役は矢内理絵子女流五段が務めた。戦型予想については以下のようなやり取りがあり、角換わりが本命とされた。 *佐々木勇八段「藤井さんが先手番の場合、永瀬さんは角換わりを受ける気がします」 *高見七段「永瀬さんの後手雁木はあるんじゃないでしょうか」 *近藤誠八段「王将戦第5局で藤井さんが初めて2手目△3四歩を指して注目を浴びたじゃないですか。(今回の名人戦でも)どこかで出るんじゃないかと思うんですが、第1局はどちらが先手でも角換わりを予想します」 * *【ライブ配信 第83期名人戦第1局 前夜祭 藤井聡太名人 vs 永瀬拓矢九段(2025年4月8日)|将棋・囲碁ch 毎日新聞】 *https://www.youtube.com/watch?v=SCsGtaUwo7I * *【前夜祭中継 藤井聡太名人ー永瀬拓矢九段、椿山荘で名人戦開幕へ 第83期将棋名人戦|囲碁将棋TV -朝日新聞社-】 *https://www.youtube.com/watch?v=WXx6ERNFw5Q 20 1四歩(13) ( 2:00/00:03:00) *第83期名人戦七番勝負の日程と対局場は以下の通り。 *第1局 4月9日、10日 東京都文京区「ホテル椿山荘東京」 *第2局 4月29日、30日 東京都大田区「羽田空港第1ターミナル」 *第3局 5月9日、10日 大阪府泉佐野市「ホテル日航関西空港」 *第4局 5月17日、18日 大分県宇佐市「宇佐神宮」 *第5局 5月29日、30日 茨城県古河市「ホテル山水」 *第6局 6月10日、11日 愛知県蒲郡市「旬景浪漫 銀波荘」 *第7局 6月24日、25日 山形県天童市「天童ホテル」 21 1六歩(17) ( 0:00/00:00:00) 22 6四歩(63) ( 0:00/00:03:00) *互いに腰掛け銀志向の駒組み。 23 3六歩(37) ( 0:00/00:00:00) *対局開始から15分過ぎた頃、立会人の島九段が控室に戻ってきた。 *島九段「藤井さんが永瀬さんに身を委ねたスタートですね。永瀬さんはいつもと違い、緊張の色が強かったように見えました。高揚感があるのでしょうね」 24 7三桂(81) ( 2:00/00:05:00) 25 6八玉(59) ( 0:00/00:00:00) 26 6三銀(62) ( 0:00/00:05:00) 27 3七桂(29) ( 0:00/00:00:00) 28 4二玉(51) ( 1:00/00:06:00) 29 9六歩(97) ( 0:00/00:00:00) 30 9四歩(93) ( 0:00/00:06:00) *互いに両端の歩を突き合う構図になった。角換わり腰掛け銀で最もオーソドックスな形といえる。端歩の位置取りは36通りの組み合わせがあり、棋界では「端歩三十六景」といわれる。江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎の代表作として知られる「富嶽三十六景」が名称の由来だ。 31 4八金(49) ( 0:00/00:00:00) 32 6二金(61) ( 0:00/00:06:00) 33 5六銀(47) ( 2:00/00:02:00) 34 8一飛(82) ( 0:00/00:06:00) 35 6六歩(67) ( 1:00/00:03:00) *▲2九飛はあと回しにして▲5六銀〜▲6六歩を優先するのが主流になっている。後手の駒組みによっては▲4五桂から3三銀を移動させて、▲2四歩△同歩▲同飛と仕掛ける可能性がある。そのときに飛車を動きで手損することは極力、避けたい。 36 5四銀(63) ( 1:00/00:07:00) 37 2九飛(28) ( 1:00/00:04:00) 38 6三銀(54) ( 1:00/00:08:00) 39 6九玉(68) ( 2:00/00:06:00) *▲7九玉と1手で移動できるところ、あえて手損して間合いを計るのが定跡手順。後手の最善形を崩そうとしている。 40 4一玉(42) ( 2:00/00:10:00) 41 7九玉(69) ( 2:00/00:08:00) 42 3一玉(41) ( 1:00/00:11:00) 43 2七飛(29) ( 1:00/00:09:00) 44 5四銀(63) ( 5:00/00:16:00) 45 4五桂(37) ( 6:00/00:15:00) 46 2二銀(33) ( 1:00/00:17:00) *手元のデータベースで調べたところ、この△2二銀で前例が4局から1局に絞られていた。その将棋は今年3月に指された棋王戦コナミグループ杯五番勝負第3局の▲藤井−△増田康宏八段。最終的に96手目で千日手が成立した一局だった。 47 3五歩(36) ( 8:00/00:23:00) 48 4四歩(43) ( 7:00/00:24:00) 49 5三桂成(45) ( 6:00/00:29:00) 50 同 金(62) ( 0:00/00:24:00) 51 3四歩(35) ( 1:00/00:30:00) *前述の▲藤井−△増田康八段戦を踏襲している。先手は桂損だが、歩得と3四の拠点が主張点。局面のバランスは保たれている。 52 6五歩(64) ( 2:00/00:26:00) *△6五歩で唯一の前例である▲藤井−△増田康八段戦を離れた。その将棋は代えて△9五歩▲同歩の交換を入れてから△6五歩とぶつけていた。端歩の突き捨ての有無がどのように影響するかが焦点になりそうだ。 *10時30分になり、1日目午前のおやつが運ばれた。メニューは藤井名人が「東京雲海プリン(コーヒー)フルーツ添え」、「紅茶(アイス)」。永瀬九段が「マップルジュース」の「ふじ」と「紅玉」を1つずつ頼んだ。このタイミングで記録係も福田三段から宮原三段に交代した。 53 6二角打 (10:00/00:40:00) *金桂両取りに打ち込んだ。対して△6四角には▲6五歩と取り込む。以下(1)△同銀は▲5五銀△同角▲5三角成の筋で先手よし。(2)△6五同桂も▲6六銀で後手は桂取りを受ける手段がなく、先手ペースの展開になる。 54 6三金(53) ( 1:00/00:27:00) 55 4四角成(62) ( 0:00/00:40:00) 56 5二桂打 ( 0:00/00:27:00) *△9五歩▲同歩の交換が入っていない点を除き、▲藤井−△増田康戦と同じ手順が続いている。 57 2六馬(44) ( 4:00/00:44:00) 58 9五歩(94) ( 0:00/00:27:00) 59 同 歩(96) ( 9:00/00:53:00) *52手目で前例から離れた本局だが、この▲9五同歩で結局は▲藤井−△増田康八段戦と合流した。 60 6六歩(65) ( 3:00/00:30:00) 61 同 銀(77) ( 1:00/00:54:00) 62 8六歩(85) ( 1:00/00:31:00) *△8六歩は11時の着手。消費時間は、▲永瀬54分、△藤井31分。 63 同 歩(87) ( 0:00/00:54:00) 64 6四桂(52) ( 1:00/00:32:00) *受けに使った桂が攻撃の要に早変わり。△5二桂(56手目)はこの展開を想定したものだった。 65 6七銀(56) (10:00/01:04:00) 66 8六飛(81) ( 1:00/00:33:00) 67 8七歩打 ( 5:00/01:09:00) 68 8二飛(86) ( 0:00/00:33:00) *11時20分の着手。 *▲藤井−△増田康八段戦は、ここで▲5六歩と飛車の横利きを通している。46手目のコメントで紹介したように、その将棋は96手で千日手が成立した。96手といっても、起点となったのは78手目。あとわずか10手でその局面に到達する。符号を記すと、現局面から▲5六歩△6五歩▲7七銀△9七歩▲8六銀△4二飛▲5七金△4四角▲同馬△同飛。以下▲7一角△4一飛▲2六角成△4四角…を繰り返して千日手になった。 *12時、この局面で永瀬が39分使って昼食休憩に入った。消費時間は、▲永瀬1時間48分、△藤井33分。昼食メニューは藤井が「ザ・ビストロ 特製カレーライス(ビーフ)、ウーロン茶」、永瀬が「にぎり寿司盛り合わせ(わさび有り)、ショートケーキ フルーツ添え、コーヒー(アイス)」。対局は13時から再開される。 69 7一馬(26) (42:00/01:51:00) *13時、対局再開。1日目の昼食休憩明けに前例と別れを告げた。もう合流することはないだろう。 70 4二飛(82) ( 2:00/00:35:00) 71 6五歩打 ( 0:00/01:51:00) *6五は後手の勢力が上回っているだけに、盲点になる。対して△6五同桂なら▲8一馬と寄った手が▲6五銀△同銀▲6三馬と、▲9一馬の両狙い。後の攻めが円滑になる。 72 同 銀(54) ( 6:00/00:41:00) 73 同 銀(66) ( 0:00/01:51:00) 74 同 桂(73) ( 2:00/00:43:00) 75 5三銀打 ( 3:00/01:54:00) 76 4一飛(42) ( 3:00/00:46:00) *ここで永瀬が手を止めている。▲7二馬や▲8二馬は△5三金で銀がタダなので、5三銀で6四桂を取る一手のように思える。選択肢があるとすれば、▲6四銀不成△7一飛と進んだ局面で▲6三銀成か不成とするか、といったところだろう。佐々木勇八段は「こうなると藤井さんは(指し手が)止まらないですよ。永瀬さんは(研究を)思い出しながら進めている感じがします」という。 77 6四銀(53) (16:00/02:10:00) *△6四同金は▲5三馬が厳しい。以下△4二角と打てば6四金は助かるが、▲4三桂で後手がしびれる。 *現局面、佐々木勇八段は「私だったら秒で(1)△8八歩と打っちゃうんですけど、こういうところで考えるのがさすがですね」と話す。相手からすると、先に自分が間違えたのではないか、と疑心暗鬼に陥るという。 *佐々木勇八段「(2)△7一飛▲6三銀成に△8八歩は入らないんですよ。後の△8九歩成に▲6八玉とかわされるので」 78 8八歩打 (20:00/01:06:00) *13時58分の着手。 *佐々木勇八段が示した△8八歩が指された。▲8八同玉は将来的に△4四角や△5五角の王手が有効になりやすい。控室の継ぎ盤には▲6三銀成△8九歩成▲6八玉△7七銀▲同金△同桂成▲5九玉△3六角が一例として並べられた。 * *※局後の感想※ *永瀬はここで本譜の代案として▲6三銀成を示した。以下△8九歩成▲6八玉に△7七銀が藤井の読み。そこから▲5九玉△7一飛▲4四桂△3六角まで並べられ、永瀬が(1)▲5三成銀と動かそうとしたとき「角(△6八角)で……」と藤井は詰み筋を示した。永瀬は「あー、そういうことなんですか。結構、入ってますか」と返した。詰み手順は△6八角に(A)▲4九玉なら△2七角成以下、(B)▲6八同金も△同銀成▲同玉△6九金▲7八玉△7九金▲6八玉△6九角成までの詰み。よって(1)△3六角には(2)▲3七飛が考えられる。以下△6三角なら▲5三金が詰めろ角取り。感想戦では▲3七飛以降の展開は深掘りされなかったものの、永瀬が「やるならこれだったですか」と述べて本譜以降の検討に移った。 79 同 玉(79) (53:00/03:03:00) *▲8八同玉は14時51分の着手。消費時間は、▲永瀬3時間3分、△藤井1時間6分。 80 7一飛(41) (14:00/01:20:00) *15時になり、1日目午後のおやつが運ばれた。メニューは藤井が「【三重塔移築100周年記念】デアバウムクーヘン フルーツ添え、オレンジジュース」、永瀬が「オレンジジュース、アイスカフェラテ」。 81 6三銀成(64) ( 2:00/03:05:00) *△3六角が目につくが、▲2九飛(▲5三成銀は△4四角が王手成銀取り)△6三角▲6六歩で先手に楽しみが多いか。その局面は先手の角損に近いが、駒の働きや玉の堅さという面で優位に立っている。 *現局面、控室では(1)△9八歩が予想されている。佐々木勇八段は「(2)△7五歩が筋中の筋なんですけど、▲7九玉と引かれて▲4四桂を狙われる」という。前述の▲7九玉は△5五角の王手を避けた意味だ。(1)△9八歩▲同香の交換を入れてから△7五歩と突けば、▲7九玉に△9九角が▲4四桂を消す攻防手になる。 82 9八歩打 (86:00/02:46:00) *現地大盤解説では佐々木勇八段が「(1)▲9八同玉は悪い手だった場合、かなり悪い手になるんですよ。自然なのは(2)▲9八同香です。以下△7五歩の局面は藤井名人のなかでは想定内だと思います。そこで先手にもう1手指されても返せるし、先手からすると封じざるを得ないかな、と思っています」と解説している。とはいえ先手が封じ手時刻の18時30分まで考えたとすると、消費時間に2時間以上の開きが出る。その辺りをどう勘案するか。 *17時5分、永瀬の考慮は30分を超えた。控室には山本博志五段と内山あや女流初段が訪れており、継ぎ盤で検討している。 *宮原三段が「永瀬先生、残り4時間です」と伝えた直後に18時30分になった。島九段から「封じ手の時刻です」と告げられた永瀬は、すぐに封じる意志を示した。封じ手の考慮時間は1時間55分。永瀬は島九段から封じ手を記入するための道具一式を受け取り、別室に移動した。藤井はグラスに入った飲料を飲み干す。そのタイミングで報道陣が対局室に入り、カメラを構えて待機。藤井は扇子を開閉させながら盤上を眺めていた。 *しばらくして、封じ手の記入を終えた永瀬が戻ってきた。藤井は封筒を受け取り、署名を入れる。それを再び永瀬に返し、改めて永瀬から島九段に封筒が手渡された。藤井が駒をしまい、一礼を交わして1日目が終了。1日目の消費時間は▲永瀬5時間、△藤井2時間46分。対局は明日9時に再開される。 *封じ手予想を近藤誠八段、高見七段、宮原三段、福田三段に尋ねたところ、いずれも(1)▲9八同香だった。(2)▲9八同玉も考えられるが、不安定な玉形になるので指しづらい面があるようだ。 *2日目の朝、東京は好天に恵まれた。8時41分、永瀬が先に入室。48分、藤井も姿を見せた。永瀬が「おはようございます」とあいさつし、藤井も「おはようございます」と返してから着座した。ややあってから一礼を交わし、対局準備が進められた。52分には駒が盤上にそろい、島九段が「では1日目の再現をお願いします」と告げる。福田三段が棋譜を読み上げて、初手から82手目の局面まで1手ずつ再現されていく。 * *【「永瀬九段が受ける展開に」第83期名人戦第1局1日目 佐々木勇気八段徹底解説】 *https://www.youtube.com/watch?v=4aY6tnl9-Jc 83 同 香(99) (115:00/05:00:00) *2択といわれていた封じ手は、▲9八同香だった。 *対局2日目の主催紙YouTubeチャンネル、ABEMA中継は下記リンク先から視聴できる。 * *【将棋・囲碁ch 毎日新聞】 *https://www.youtube.com/@shogiigo_mainichi *【<第83期名人戦 第1局2日目午前>対局LIVE・AI評価値放送 藤井聡太名人vs永瀬拓矢九段(4月10日)】 *https://www.youtube.com/watch?v=ylI7vbdtwpU *【<第83期名人戦 第1局2日目>大盤解説会LIVE(4月10日午後1時半〜)】 *https://www.youtube.com/watch?v=aptqV55IFaU * *【囲碁将棋TV -朝日新聞社-】 *https://www.youtube.com/@igoshogitv *【<将棋名人戦中継】藤井聡太名人−永瀬拓矢九段 究極の対決、始まる【第83期将棋名人戦第1局2日目>】 *https://www.youtube.com/watch?v=ODr8rwM6h2g * *【名人戦大盤解説会 藤井聡太名人−永瀬拓矢九段 高見泰地七段が決着まで徹底解説 第83期将棋名人戦第1局2日目】 *https://www.youtube.com/watch?v=SBJhRO18X24 * *【ABEMA将棋チャンネル】 *https://abema.tv/timetable/channels/shogi *【第83期 名人戦 七番勝負 第1局 2日目 藤井聡太名人 対 永瀬拓矢九段】 *https://abema.tv/channels/shogi/slots/Ae3CLkeLmwgShu *解説者:広瀬章人九段、山川泰熙四段 聞き手:貞升南女流二段、脇田菜々子女流初段 84 7五歩(74) (13:00/02:59:00) *ここで先手は何を指すか。▲7九玉は、△9九角への対策がないと選べない。 85 6六銀(67) ( 9:00/05:09:00) *「桂先の銀、定跡なり」で銀を立った。△7六歩の取り込みには▲7二歩で飛車先を押さえることができる。 *10時になり、2日目午前のおやつが運ばれた。メニューは藤井が「抹茶と和栗のパウンドケーキ クリーム&フルーツ添え、紅茶(アイス)」、永瀬が「アイスカフェラテ」。藤井が注文した「抹茶と和栗のパウンドケーキ」は、「厳選した抹茶と香り高い発酵バターを使用し、和栗の渋皮煮を入れて焼き上げたパウンドケーキ」とのこと。 *(1)△7六歩は▲4四桂からの寄せ合いに成算が持てないと、後手は踏み込めない。(2)△4四角は有力。以下▲5五桂△7六歩▲7二歩△8一飛に▲5四金か▲4五金と打って角を捕獲する順が予想される。 86 4四角打 (113:00/04:52:00) *1時間53分の長考で角を据えた。先手玉を間接的ににらむ好位置で、6六銀を釘付けにしている。(1)▲6七歩には△7六歩の迫力が増す。(2)▲5五金は△同角▲同銀△7六歩▲5三角△4二歩▲7一角成△7七銀▲同桂△同歩成▲同金△9九角▲同玉△7七桂成で後手勝勢。先手は横に利く持ち駒が飛車1枚しかないので、後手玉は詰まない。 *11時過ぎ、控室に勝又清和七段が来訪した。 *12時、この局面で永瀬が42分使って2日目の昼食休憩に入った。消費時間は、▲永瀬5時間51分、△藤井4時間52分。対局は13時から再開される。 *昼食注文は、藤井が「天ぷら蕎麦(冷)、ウーロン茶」、永瀬が「にぎり寿司盛り合わせ(わさび有り)米茄子の鴫炊きとともに、【三重塔移築100周年記念】デアバウムクーヘン フルーツ添え、アイスコーヒー」。 *永瀬が注文した「デアバウムクーヘン」は、「長寿や繁栄、末永い幸せを、歴史ある三重塔のようなフォルムと生地が幾層にも重なるバウムクーヘン」とのこと。 *13時、対局再開。永瀬は引き続き時間を使っている。うつむくことが多くなってきた。 *13時15分頃、野原未蘭女流二段が控室に顔を見せた。 87 5五桂打 (61:00/06:10:00) *銀取りを受けつつ、後手玉の寄せにも働く桂打ち。現局面で△5四銀には(1)▲4五金、あるいは(2)▲4五歩△同銀▲4三歩△4一歩▲4七飛が一例で先手優勢になる。 88 7六歩(75) (59:00/05:51:00) 89 5六歩(57) ( 3:00/06:13:00) *控室では「えー、▲7二歩は入れないんだ」の声。本譜は5五桂の支えを強化しつつ、飛車の利きを7七まで通した手だが、△7七銀の放り込みが怖い。 *14時30分頃、現地を訪れている佐藤紳哉七段と近藤誠八段が継ぎ盤を動かして検討中。ここで△7七銀▲同桂△同歩成▲同銀△同桂成▲同金△7六歩▲7二歩△7七歩成▲同飛△6六角▲7六金△7七角成▲同玉△6一飛▲5四角△4三歩が一例として順が並べられた。 *藤井は▲5六歩と指された直後に残り時間を確認していた。そのこともあり、佐々木勇八段はようやく藤井の研究範囲から外れたのではないか、と推察している。 *15時になり、2日目午後のおやつが運ばれた。メニューは藤井が「ホテル椿山荘東京 椿茶(アイス)、マップルジュース(ふじ)」、永瀬が「エスプレッソ、マップルジュース(ふじ)」。藤井が注文した「椿茶」は、「ノンカフェイン、ノンシュガー、ノンカロリーの自然の甘味のお茶」とのこと。ホットも頼める。 * *※局後の感想※ *「▲5六歩が大問題でしたか」と永瀬。代案として▲7二歩が調べられた。以下△8一飛▲5六歩△8六歩▲7一歩成△7七歩成▲同銀△8七歩成▲同金△7九角▲7八玉△6九銀▲7九玉△8七飛成▲6九玉△8九竜▲7九歩△5七歩▲6八玉△1三銀▲5四角△7七桂成▲同玉△4三銀が変化の一例で、その局面に関して藤井は「(後手玉が)堅くなれば……」と手応えありの様子。永瀬も「そうですね。距離を取られると(先手が)まずいんですね」と同調した。ほかの手段も検討されたが、▲7二歩以降で先手有望とされる変化までは発見されなかった。しかし、本譜以降も先手にとって自信がある順までは見つからなかったので、▲7二歩を掘り下げるべきだったようだ。 90 7七銀打 (31:00/06:22:00) *代えて△9七歩や△1三銀といった手段もあったので、必ずしも△7七銀の一手ではなかった。だが、藤井は直線的な順で斬り込む。佐々木勇八段は「こういうの、大好きだもんね」と納得の表情だった。前手コメントに記した▲7七同桂△同歩成(1)▲同銀のほかに、(2)▲7七同金△同桂成▲同銀△7六歩▲6六銀も検討されている。以下(A)△7七金で寄せきれればよいが、佐々木勇八段はリスクが高いということで(B)△1三銀を推奨している。 *15時20分頃、伊藤真吾六段が来訪した。佐藤紳七段と継ぎ盤を挟む。 91 同 桂(89) (62:00/07:15:00) 92 同 歩成(76) ( 0:00/06:22:00) 93 同 金(78) ( 1:00/07:16:00) 94 同 桂成(65) ( 3:00/06:25:00) 95 同 銀(66) ( 6:00/07:22:00) 96 7六歩打 ( 4:00/06:29:00) *ここで▲7二歩か、▲6六銀か。後者の変化は佐々木勇八段が示していた△1三銀のほかに、△5四桂も候補に挙がっている。 *佐藤紳七段と伊藤真六段による検討では、この△5四桂で先手の手段が難しい、という結論に至った。以下▲5二成銀(▲4三桂打からの詰めろ)ならば、そこで△1三銀とやはり退路を作る。よって、現局面では▲7二歩が予想されている。 97 7二歩打 (27:00/07:49:00) *現局面では△7七歩成が予想されるが、対して(1)▲同玉は△5九角▲6八歩に△4八角成が△8五桂以下の詰めろで、先手は▲7一歩成と飛車を取る余裕がない。そのため、△7七歩成には(2)▲同飛の一手と見られている。以下は89手目のコメントで触れた(A)△6六角か、(B)△7六歩▲同飛△8四桂が候補手。伊藤真六段は形勢について「後手よしと思いますが、△6六角と△7六歩、どちらがまさるかは判断が難しいところです」という。 *17時、この局面で藤井が20分使って夕休憩に入った。両対局者には軽食におにぎり(ウメ、マグロ角煮、ワカメ)が用意されている。藤井の汁物は赤出汁、永瀬は赤出汁ではなく、お茶漬けで食せるようにしてある。消費時間は、▲永瀬7時間49分、△藤井6時間49分。対局は17時30分から再開される。 98 7七歩成(76) (56:00/07:25:00) 99 同 飛(27) ( 0:00/07:49:00) *※局後の感想※ *藤井はここで(1)△6六角だと▲7六金△7七角成▲同玉△8一飛▲7一歩成△同飛▲7二銀の変化に自信が持てず、本譜を選んだという。また、(2)△6一飛は▲5三銀(▲5二銀は△1三銀が藤井の読み)△同角▲4三桂打△同金▲同桂成に△9六桂からラッシュをかけてどうかだが、こちらも成算が持てなかったようだ。 100 8一飛(71) (24:00/07:49:00) *近藤誠八段「まったく考えていない」 *△6六角でも△7六歩でもなかった。検討はやり直し。継ぎ盤では▲4三桂打△同金▲同桂不成△3二玉▲4二金△同玉▲5三銀△同角▲同成銀△同玉▲7三飛成△6三歩(1)▲6二角△4二玉▲4四角成までスラスラと並ぶ。佐々木勇八段は「これが藤井さんの予定とは思えない」と話す。島九段は「難易度が相当、上がったような気がしますね」という。最後の▲4四角成は、▲6二竜からの詰めろになっている。 *上記手順中、△6三歩に(2)▲6四角は△4三玉▲6三竜△3四玉で後手玉は捕まらない。△2五玉〜△2四玉〜△1三玉と小部屋に逃走する経路がある。 *△8一飛までの消費時間は、▲永瀬7時間49分、△藤井7時間49分。 *19時27分、永瀬の残り時間は15分になった。 * *※局後の感想※ *感想戦でも上記の▲4四角成まで進んだ局面が調べられた。藤井は「この図はなんとかしたい」と述べ、一例として(A)△5三銀を示す。自陣に手を入れて戦えると判断していたようだ。一方の永瀬は自玉が危険と読んでいたが、(B)△9九銀▲同玉△8九金▲同玉△8七飛成▲8八歩で形勢はともかく、詰み筋までは発見されなかった。 101 5二成銀(63) (62:00/08:51:00) *▲4三桂打からの詰めろをかけた。これも候補手に挙がっていた。 102 1三銀(22) ( 2:00/07:51:00) *どこかで指したいといわれていた銀上がり。△2二玉〜△1二玉の逃げ道を作った。 103 4二金打 ( 0:00/08:51:00) 104 同 金(32) ( 0:00/07:51:00) 105 同 成銀(52) ( 0:00/08:51:00) *△4二同玉は▲4三銀以下の詰みがある。△2二玉とかわす一手だ。 106 2二玉(31) ( 0:00/07:51:00) *※局後の感想※ *本譜に代わる手段として現局面から▲3三銀が調べられた。以下△同桂▲同歩成△同角▲3二成銀△同玉▲4三金△2一玉▲3三金△3二歩(1)▲5四角△2二金▲同金△同銀が一例で、藤井は「耐えてますか」と見解を示した。以下▲7三飛成は△6六角▲7七桂△3一金とする。上記の△3二歩に(2)▲2三金は△2二銀打が並べられた。いずれも際どい変化だが、藤井は「(後手に)楽しみが多いですか」と話した。 107 2四桂打 ( 3:00/08:54:00) *後手の玉頭をこじ開ける犠打。代えて▲3三銀△同桂▲同歩成△同角▲3二金△1二玉▲3三金と進んだ局面は詰めろにならないが、本譜の▲2四桂に(1)△2四同歩と取らせることで上記の▲3三金が▲2三角以下の詰めろになる。 *対する後手は(2)△2四同銀が有力。以下▲同歩に△6六角が7七飛の活用を封じる攻防手になる。 * 108 同 銀(13) (37:00/08:28:00) *ここで▲3二成銀と捨てる勝負手はある。以下△同玉とおびき寄せることで、▲2四歩△6六角に▲4三銀△2二玉▲3三歩成△同桂▲2三歩成△同玉▲2四歩△同玉▲3四金△2五玉▲3六銀△同玉▲3七金△2五玉▲2六歩以下の詰み筋が生じる。ただ、後手には豊富な持ち駒があるので、上記の△6六角に代わる手段がいかにもありそうだ。 109 同 歩(25) ( 0:00/08:54:00) 110 9六桂打 ( 1:00/08:29:00) *ここで加速する。▲9六同香に△9七金▲同玉△8五桂が狙い筋だ。 * *※局後の感想※ *△9六桂に▲7八玉なら△8九角▲6九玉△7八金▲5八玉に△7七金と飛車を抜けば、後手玉の詰めろが解除される。これは後手が余しているとされた。 111 同 香(98) ( 2:00/08:56:00) 112 9七金打 ( 3:00/08:32:00) *控室では後手が詰ましにいっていると見ているが、まだ発見されていない。 113 7九玉(88) ( 1:00/08:57:00) 114 8八角打 ( 0:00/08:32:00) *▲8九玉は△9八銀▲7八玉△7七角成▲同玉△8七飛成から詰む。 115 6九玉(79) ( 0:00/08:57:00) 116 6八金打 ( 0:00/08:32:00) 117 同 玉(69) ( 0:00/08:57:00) 118 7七角成(88) ( 0:00/08:32:00) *(1)▲7七同玉は△8七飛成▲6八玉△6七飛▲5九玉△8九竜▲5八玉△6九竜までの詰み。 *勝又七段「(2)▲5八玉でどう詰ますのか分からない」 119 5八玉(68) ( 0:00/08:57:00) 120 6八飛打 ( 1:00/08:33:00) 121 4七玉(58) ( 0:00/08:57:00) 122 4八飛成(68) ( 0:00/08:33:00) *控室では「さすが」の声が上がる。つい先ほど、佐々木勇八段が先手玉の詰み筋を発見したという。だが、その手順の難度が高い。 123 同 玉(47) ( 0:00/08:57:00) 124 6六馬(77) ( 1:00/08:34:00) 125 5七桂打 ( 1:00/08:58:00) 126 同 馬(66) ( 2:00/08:36:00) 127 同 玉(48) ( 0:00/08:58:00) *△8七飛成に▲6七歩は△6五桂▲6六玉に△7七竜と王手で寄れるのが大きく、先手玉は詰む。 * * 128 8七飛成(81) ( 0:00/08:36:00) 129 6七金打 ( 0:00/08:58:00) *控室ではこの手が強敵と見られていたが、(1)△4五桂を佐々木勇八段が発見。退路封鎖の手筋で、以下▲同歩に△6五桂▲6六玉△8六竜▲6五玉△6四歩▲5四玉△5三金までの詰み筋が新たに生じる。 *検討が進み、(2)△6五桂も先手玉に詰みありと結論づけられた。検討陣は「こっちのほうが普通ですか」としながらも、どちらを選ぶかに注目している。 130 6五桂打 ( 1:00/08:37:00) 131 6六玉(57) ( 0:00/08:58:00) 132 7四桂打 ( 0:00/08:37:00) 133 7五玉(66) ( 0:00/08:58:00) 134 5三角(44) ( 0:00/08:37:00) *この局面で永瀬が投了した。終局時刻は20時55分。消費時間は、▲永瀬8時間59分、△藤井8時間37分。開幕局は藤井が制した。第2局は4月29日(火・祝)、30日(水)に東京都大田区「羽田空港第1ターミナル」で行われる。 *投了以下は一例となるが、▲6四歩△8四金▲6五玉△6七竜▲5四玉△6四竜▲4三玉△4四竜▲5二玉△6二金▲5一玉△4二竜までの詰み。 * *【「棋士が勉強になる将棋」第83期名人戦第1局 佐々木勇気八段が徹底解説 藤井聡太名人 vs 永瀬拓矢九段|将棋・囲碁ch 毎日新聞】 *https://www.youtube.com/watch?v=Lm_ivUX8SLY&t=249s *【名人戦第1局に勝利 藤井聡太名人、開幕局一夜明けインタビュー|将棋・囲碁ch 毎日新聞】 *https://www.youtube.com/watch?v=FWd8Re-TbnM * *【藤井聡太名人、驚異の78手目「8八歩まで研究」 永瀬拓矢九段に勝利 第83期将棋名人戦第1局=北野新太撮影|囲碁将棋TV -朝日新聞社-】 *https://www.youtube.com/watch?v=b1NdNGzIbVs *【藤井聡太名人、前夜の長手数の詰み「物凄く複雑ということでは…」 第83期将棋名人戦第1局一夜明けインタビュー=北野新太撮影|囲碁将棋TV -朝日新聞社-】 *https://www.youtube.com/watch?v=48Maup0t2Qk 135 投了 ( 1:00/08:59:00) まで134手で後手の勝ち